対象
執行役員・理事 14名
導入背景
創業以来、確かな技術開発力と商品提供力で、国内事業、海外事業ともに誇りを持って仕事に取り組まれていました。一方で、資源の高騰や海外情勢の不透明さなどにより、成長分野への積極展開や新たな事業への展開を行うとともに、新たな人材育成制度や評価制度をつくるなど転換期を迎えています。そのような中、上層部の肝いりプロジェクトとして始動しました。
これまで、教育プログラムがあまり体系化されていなく、それぞれが必要だと感じることを自己学習として行ってきた現状があり、どうしても学習内容に偏りが出ていたという問題がありました。自己流のマネジメントで担当部門を引っ張る。経営層として必要な知識が不十分である。そのため、人の育成に関しても各現場で差がでるとともに会社の将来を考えるにあたり、会社の全体を見ての議論に不十分さを感じられておりました。
そこで、マネジメントを軸とし経営層に必要なプログラムを用意することにより必要な基礎知識の習得と、実行する期間を設けることで経営層としてのマネジメントの質的向上を目的として、実施されました。
職場の問題・課題
- 全社視点の意識
役員の中には、入社以来一度も異動をせずに仕事に従事し続けてきた方がいるなど、自部門の業務においてはプロフェッショナルだが、他部門の業務はあまり理解していないという問題がありました。また、拠点も物理的距離があり、全社的な視点に立ち議論をするという機会も少なく、お互いが理解を深める機会があまりないため、会社の将来を考える際に自部門を通して考えることが主となり、会社全体を考えての議論が深まりづらいという問題がありました。
- 組織視点に立ったマネジメント
これまでは現場で培った知識や経験をもとに自己流のマネジメントが行われていたため現場としての視点が非常に強く、自部門の成果に絞ったマネジメントになりがちでした。会社の今後を左右する人材として、組織視点に立ったマネジメントができないといけないと危機感をお持ちでした。
特徴
- 議論をする場の提供
全員が一つのテーマに対し、それぞれの考えを議論する場をつくりました。各部門の立場から議論をすることで、各部門の詳細な業務内容や抱える問題、考え方を理解し、理解を深めました。そのことで、役員・理事同士でより全社的な立場から議論をする関係をつくりました。 - 約半年間に亘る実践期間
行動の定着化を促すために研修毎に、各自がマネジメントに関する課題を設定し次回の研修までの実践期間を設けました。研修内で自身が抱える問題を具体的にし、実践期間後、研修冒頭で振り返ることで各自の悩みなどをグループで共有、アドバイスなど行うことでマネジメントの日常の質的向上を図りました。 - 360度サーベイを取り入れ「つもりの自分」と「はための自分」を知る
研修開始から、STEP4までの実践期間の行動の変化が周囲にどう映っているかを検証しました。研修で学んだことや課題設定したことが、周囲にどう映っているかを知ることにより各人のマネジメントのあり方や、今後の課題を明確にしました。 - 5~10年後の会社を考える
個々人だけで今後の会社を考えるのではなく、全社視点の意識を持ち、受講生全体で考えていただきました。今後、会社は”自分たち”が創り上げていくという意識をより強く持ち、自分たちが会社の中心であるということを認識していただきました。
プログラム概要
実施のステップ
受講者の声
- 当たり前ですが、マネジメントの定義を再確認し、行動に移さなければいけないということを再確認しました。
- 部門長としての思いを込めて、組織のなすべきこと、(活動目的、存在価値、針路)を明確にし、また、組織の資源を再確認し、有効に使うため、部下を通して意図的に成果を上げるようにしていくことが重要だと感じました。
- 環境変化に対応した考え方、判断、行動ができでいるかを自己点検し、変えていく必要性をより感じました。
- 重要なやるべき事の認識はあるもののいざ行動へとなると、重要ではないが緊急な事が先に立ってしまいがちであるが、より具体的文言による表現での計画と動き出す「勇気」、「本気さ」を自らが鼓舞しなければ始まらないということを改めて認識しました。
- 「自らを変革できない組織は、明日への変化に生き残ることはできない」「明日のマネジメントに当たるべき人間を今日用意しなければならない」と感じ、実行の必要性をより理解しました。
研修担当者よりひと言
とても真摯に物事と向き合い、新たな課題にも積極的に取り組まれている姿が印象的な会社です。特に自部門の仕事には誇りと自信を持っており、プロフェッショナルとして仕事に取り組まれていることが見受けられました。一方で、他部門に関しては相手を尊重をするあまり、議論が深まりづらい傾向にありました。しかし、研修を重ねる毎に他部門への理解も深まり議論が深まっていき、さらにはこの受講者全員が会社を引っ張っていくのだという共通の認識が強くなっていく姿がとても印象的でした。