第9回:艦の食事 « 個人を本気にさせる研修ならイコア

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パートナーコラム 紺野真理の「海軍におけるマネジメント」
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第9回:艦の食事

※このコラムは、弊社代表紺野が海上自衛隊時代、艦隊勤務を本望として20年間生きてきた経験の中で見聞きしたことを書いたものです。10年以上前に、ある団体の機関紙に数回に分けて掲載されたものを、今回いくつかの加筆、修正をして掲載しているものです。記載内容の時代背景等、現在のものではないことを予めお断りしておきます。

艦の食事

軍艦の強さを決めるものにはいくつかの要素があると思います。最大のものは、指揮官である艦長の人格と能力。今ひとつは、入港後に乗組員を他の艦に比べ、いかに早く上陸させることができるか。これには、艦長の操艦能力(いかに早くスマートに艦を岸壁に横付けするか、またはブイに係留するか)によるところも大きいのですが、それと同時に、乗組員に「うちの艦ではいつも早く上陸させてもらっている」という気持ちを抱かせる副長(艦のナンバー2)の手腕が問われることとなります。これには、かなり高度のマネジメント能力が要求されるものと思います。そして、最後が食事の善し悪しなのです。

旧海軍時代から、「飯のうまい艦は強い」とも言われていたそうです。現実に海上自衛隊においても、艦の士気(モラール)の高さと食事の良さは強い相関があります。

なにせ、100人から200人の荒くれ男ばかりの大所帯。訓練、訓練の海しか見えない毎日の中で、食事のほかに何の楽しみがありましょうか。艦では、夜食を含めて1日4食の食事をとります。夜食はやや軽めの麺類とかサンドイッチなどが主なものですが、潜水艦では完全に4食の体制と聞いています。

昔は土曜の昼食はカレーライスと決まっていたのですが、土曜日に休むことが多くなり、最近は週休2日制の施行もあり、金曜定食(昼食)となっています。とにかく週末の昼はカレーライスというのが昔からの海軍のコンセプトでありまして。私がカレーについては少々うるさいのも、この辺に由来するものと思われます。とにかく、海上自衛隊中、艦隊と言わず陸上部隊、航空部隊、学校と言わず、特別な場合を除き、全国的に海上自衛隊総力を挙げてのカレー曜日なのです。ですから、カレーライスは海上自衛隊の食事の代表のようなものであり、カレーライスを食べればその部隊、艦の食事の善し悪しがわかる、ということです。カレーライスを食べるだけで、その艦の強さが、士気(モラール)の高さがわかるとも言われ ております。

追記:

よくTV等で、金曜日のカレーライスを「曜日を意識させる仕組み」などともっともらしく解説している方がありますが、20年海上自衛隊のカレーを食べてきた者としては、結果論としては、意識できたものと思いますが、そんな意図があるという話しは、聞いたことがないし、意識もしていませんでした。

▽次号では・・・▽

皆さん、いかがでしたか?楽しんで頂けましたか?

紺野は本当にカレーにはかなりうるさいんですよ。これも海上自衛隊時代に毎週カレーを食べ続けていたからなのでしょうね。企業の善し悪しは「その会社のトイレの清潔さで分かる」なんて聞きますが、海上自衛隊では、カレーの味で強さや士気の高さが分かってしまうのですね。つい先日、紺野が江田島へ行った際に、「海軍カレー」(レトルト)をお土産に買ってきてくれました。確かに美味しかったです!

さて、次回は「再びサイレントネービー」をお送りします。
皆さん、是非お楽しみに・・・!

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