スマート
海軍では「スマート」という言葉が多用されていたようであります。
海上自衛隊でも引き続きよく使われています。私が子供の頃には、スマートとは一般に見なりとか見かけの意味で用いていたように思いますが、最近ではよく行動や動作について、「スマートにやれ」などと使うようです。
英国海軍仕込みの旧日本海軍では、戦前からこの意味で使っていたということです。「スマートで目先が利いて几帳面、負けじ魂これぞ船乗り」などと旧海軍の将校(士官)たちは自らを自画自賛しつつ、自戒していたようでもあります。
みなさんご承知のことと思いますが、太平洋戦争中でも海軍だけは英語の使用を止めなかったこと、海軍兵学校の入試科目には最後(終戦)まで英語があったことが、海軍が他の組織とは一線を画していたところだと思います。
しかし、どこかエリート意識の臭みを感じさせるこの言葉が私はあまり好きではありません。私の尊敬する某艦長(海上自衛隊の名艦長として5本の指にも入るような方で、数年前に退官)も同様で、その方は、いつも「船方」を自称し、土方・馬方・船方という脈絡の中で「船方仁義」が口癖でもありました。
その一方で、艦上生活を楽にする秘訣についてのこういう言葉もあります。
「整列は後列、休暇前半、ホーサエンドでパンアーマー」
内容の説明は後日ご質問があればするとして省略しますが、これを実行に移すには、かなりスマートにやる必要があったとか!!
▽次号では・・・▽
皆さん、いかがでしたか?海軍では、戦前から「スマート」という言葉を行動に結びつけて表現されていたんですね。なんでも「スマート」にこなせる人は、確かにかっこよく感じます。楽を選ぶのは簡単なことですが、自ら困難なことに向かって「スマート」に行動できる人間を目指したいと思います。
次号は、艦上儀礼(前半)をお送りします。 皆さん、是非お楽しみに・・・!