「研修で教えられるだけでは現場は変わらない。マネジメントの本質を理解し、実践のSTEPを踏むことで、自らのマネジメントの軸をもつこと。それが成果を出すための血肉となっているようです。」
イコアの真髄である「マネジメント研修」を、7年にわたり実施してくださっているA社のH様、T様にオンラインにてお話を伺いました。
会社の人事部とは別に、事業部の教育部門にて独自の教育計画を策定されています。
H様:数年前から社内の課題は多くあると感じており、実際に「社内のコミュニケーション不足」「仕事を部下へ丸投げする」「管理職としての意識が低い」等のマネジメントに課題があることを示す声が私たちのところに届いておりました。これは、社内の全社員を対象とした意識調査のサーベイ結果とも一致する部分が多く、マネジメントに課題があるということは社内の共通認識でした。また、社長からも『マネジメントスタイルの根本的な変革が必要』という強いメッセージが発信され、チームの力を最大化できる人を据え、マネジメント力の向上をさせることは全社の共通認識となりました。
私の身近なところにおいても、管理職一人ひとりは、決して頑張っていないわけではなかったのですが、「プレーヤー」として過去の延長線上での仕事の仕方になっており、マネジメントの教育が必要であるということは明らかでした。
T様:「マネジメントとは?」という問いに対しての認識に個人差が大きく、「日常業務を滞りなく進めること」という狭義で捉えている人が多いです。私自身が管理職となって気づいたところでもありますが、マネジメントに対する一歩踏み込んだ深い理解に至る教育の機会や説明はなく、マネジメント教育を実施したいと考えるようになりました。
H様:全社での研修ももちろんありますが、「どのように部下とコミュニケーションを取るのか?」など、どちらかというとノウハウを重視する内容で、前述のような「マネジメントとは?」という本質的な教えがやや不足していると感じていました。このため全社の研修とは別の視点で実施したいと考え、事業部として独自にマネジメント研修を実施することとしました。
T様:研修で教えられるだけでは実践に結びつかないという懸念に対して、私たちのリクエストも踏まえ、実践期間を設けるSTEPを複数回踏む提案をしてくださいました。要望と提案が合致し、それが5年、6年と続いています。ただ前年と同じようにということではなく、改善マインドを持ち、その時々でとことん納得するまで話し合うことを大事にしていますが、イコアさんは要望に応え続けていただきました。研修内容についても、我々の要望に応えるという姿勢を第一に、カスタマイズの提案をしてくださいました。いわゆるパッケージ化された研修を提供する会社も多い中、柔軟にユーザーサイドのニーズに寄り添っていただけるだけの力量がある。こんな研修会社があったらどんなにいいだろうと思っていた対応をしていただけたのがとても印象的でした。
H様:また受講者との親和性というところでは、私共のクライアントの領域と、講師の前職の領域が近いということもあり、「現場の言葉がわかる」という部分も後押しになりました。
H様:受講者の研修受講後のアンケート結果は、とても良い評価となっています。総合の満足度を示す数値は、年によってばらつきはありますが、ほぼ90%というスコアで、他の研修と比べてもまったく遜色のないものになっています。また、「マネジメントについて自分自身で取り組んでいかないといけない」等、単に良かったと言うだけはない中身の伴う定性コメントも多く見られます。
T様:一般に研修直後は、職場から隔てられて研修に集中できていた余韻と記憶も鮮明なため、いい結果が出やすくなりますよね。そこで直後だけではなく1年後にアンケートを取りました。「研修を受けたことが今の業務で成果を出すための血肉になっているか」という問いに対して7~8割がYESという結果で、ネガティブなコメントはありませんでした。
受講者一人ひとりの言動を職場でつぶさに見られるわけではありませんが、自分の職場にいる受講者との対話では、研修で学んだこと、培った共通言語など、それを軸にものを見て、部下と接している姿勢が見られます。またこの研修は現場のマネジャー層を対象としていますが、受けたそのうちの何人かが次の役職に進んでいきます。印象的だったのは年度初めにある事業部では各部門長による部の紹介、所信表明、部員紹介などのプレゼンがあるのですが、この研修の受講者であった新任部門長は、就任間もないにも関わらず部下の強みや特徴をリサーチして、非常にわかりやすい言葉で伝えることができていました。それは部員も嬉しいですよね。そういった方は従来の部長では正直見られなかったです。その方は研修でも一生懸命取り組んでいた方でしたね。
従業員の職場調査では、マネジメント項目の数値がこの2年くらい前年を超えています。広い範囲に対しての調査なので、もちろん研修を受けていない層も含まれますが、この研修を受けた受講者も増えているので、その人が周囲の部下、同僚、上司と接する中で、良い影響を与え、研修効果が波状のように広がっていると嬉しいですよね。
H様:他の研修も実施しているので、この研修の成果だけとはもちろん言えませんが、良い点があらゆるところから見えてきているというのは成果に繋がっていると言えるかと思います。こういった研修はすぐ目に見える成果が得られるものではないというのはわかっています。結果に一喜一憂せずに地道に続けていくことが必要ですよね。「続けることができている」のも成果だと捉えています。
H様:マネジャーへの昇格者は毎年いるので、今後もこの研修を継続していくことが大事だと考えております。また、このマネジメント研修導入の時点で結果的に未受講となってしまった上の階層にも広げていくことも取り組みとして開始しました。事業部として全員がこの研修を受講すれば、マネジメントをしっかり考えた経営になると思います。まずはこのマネジメント研修をしっかり継続していくことを目指しています。
T様:「継続する」ということは簡単なように見えて、大きな組織になるとなかなか難しい面もあります。その中でいかに進めていけるかということは課題です。
H様:目新しいことを考える人も多く、ともすると年数を経た研修は軽視されやすい傾向になりがちですが、この研修は途絶えることなく続けていきたいと考えています。
大手電機メーカー A社 B事業部/マネジメント研修