Q. イコアを選定した理由をお聞かせください。
A. 過去の新人研修はティーチングが主流だったせいか新入社員達が縮こまってしまい、「何もできません」という状態で現場に行くような印象がありました。若さゆえの度胸があまり見られず、そこを強化したいと思っていました。
集合研修がなくOJTのみだった時代は、ティーチングもありましたが考えさせてくれる時間も多く、「勝手にやれ」と言われながらもフォローが入ることで鍛えられてきました。こういった従来の育成の良さを短い集合研修の時間の中で再現できるプログラムをいくつかの研修会社にお願いしたところ、目的を十分に共有し従来の新入社員研修の発想に囚われない提案をしてくれたのはイコアさんだけでした。
Q. 新入社員研修を検討するうえで何を大切にされていますか。
A. 講師の方が理想的な行動やあるべき姿を教えてくれるという従来の研修は、研修中は満足感がありのびしろの大きさは感じられるものの研修は研修、現場は現場となってしまいがちでした。その結果、
- 理想の上司役の講師の前では理想の動きができるが、理想の上司役の講師がいない現場では学生感覚が抜け切らず社会人としての自覚が足りない行動しか取れなくなってしまい、いつまでも一人前でないという考えにつぶされてしまう。
- あるべき姿だけをつくってしまい、理想通りにいかない現実に直面したとき崩れてしまう。
ということが起きていました。それらをどうにか回避したいと考えイコアさんにお願いしました。
どんな研修を受けたとしても、現場に入れば上司や先輩がいて、自分が研修で育んだ価値をすぐに体現できないことを多くの新入社員は経験します。そういった状況で8割は1.や2.の感覚に陥ることはあっても、残りの2割は自分の中でやれる、違う答えが作れるという気力が残るような研修にしていただくことを望んでいました。
今回の研修では、理想どおりに行かない時、「自分でどうするか考える」「答えなんてない」ということを繰り返し盛り込んでくれていたので、研修後、現場に出てから壁にぶつかったときは、今回の研修を思い出し気力を出して乗り切ってもらいたいと思っています。
Q. 担当の講師はいかがでしたか。
A. 人事の期待していることに十分にお応えいただけた上、さらに新入社員本人達の反応は想像以上でした。講師の彼谷さんが実体験に基づいたエピソードを話してくれたり、講師と受講生という立場はありながら、人間としては同格として扱い「あなた達にもできるはず」というメッセージを伝えると、そこで栄養をもらうかのように動き出していました。
「自分達で何とかする」という気持ちを大きくするため、必要以上に口出しはせず、みんなを見ていてフォローや声がけをしたり、若手達が自分こととして受け止められるよう彼谷さんの意見や思っていることをしっかりと伝えてくれていました。当初は、新入社員達が講師を信頼したとしても、4日間の研修では自分のことを話すところまではいかないと思っていましたが、自分の話もできるようになっていました。また彼谷さんには、メンバー同士で何かをさせるというスキルがたくさんあり「同期のことを頼ろう」とか「同期は仲間だ」とかメンバー同士の絆作りというところが想像以上にできていました。
Q. 新入社員研修と並行して導入いただいている他のプログラムについてもご感想をお聞かせください。
A. 今回、新人研修を刷新するにあたって、OJTトレーナー研修・OJT主任研修の見直しも並行して行いました。現場全体で同じ育成方針を持つことが大切だと考え、こちらの研修もイコアさんにお願いしました。
トレーナーたちには細かいスキルを学んでもらうというよりは、まずは「人を育てる」マインドになってもらうことに注力して取り組んでもらいました。トレーナー自身が「新人と共に成長していきたい!」というマインドにさえなれば、結果としてそのためには“自分の今の仕事を見直す必要がある”“現場の同僚を巻き込む必要がある”といった具体的な方策にたどり着きます。
OJT主任は、新人・トレーナーの上司にあたる人間になります。直接の指導はトレーナーや現場のメンバーに任せる立場ですが、状況に応じてフォローやヘルプをし、ときには直接新人に関わります。新人を育てる職場づくりには、上司のかかわりは不可欠です。トレーナー、上司の研修も合わせて、3階層を彼谷講師にお願いすることによって、よりつながりのあるメッセージを届けることができました。
株式会社東急ハンズ様 新入社員研修
株式会社東急ハンズ
総務部 人事課
研修担当 菊池 千恵 様